アモ~レ☆チョッチョモ~レ

試す人になろう。

【Asian Child~ベトナムの旅~】 Vol.1 プロローグ

mutakoba@大仏です。

Asian Child一発目スタートです。
【以下、当時のレポートです】

 台北からのベトナム航空925便は高度を落としはじめた。眼下には夕焼けを反射させる幅広い黄土色の川を挟んで、水田がただ広がっていた。改めてベトナムという国の稲作規模の大きさに感じ入る。
未舗装の赤土の道路は、日本にいる間にさまざまなメディアで見たイメージに近いベトナムを提供してくれる。
 ラオスの方向に太陽が沈みかけていた。

***

 当機の目的地はハノイ、ノイバイ空港。
ノイバイ空港に降り立った後、バスでイミグレーションへと向かう。
 イミグレーションの机はなんと木製で、一人一人の検査にかなり時間がかかるらしく、長い列ができている。やっと検査官に声をかけられる。軍服のような褪せた緑色の服を着た係員はゆっくりとパスポートをチェックする。昨年(*注 1997年)中国へ陸路で入国したときのような閉鎖感、物々しさは同じ社会主義の国にもかかわらず、あまり感じられない。
 かといって、東南アジアの民主主義諸国のような開放感、日本のような空港係員をナメてるような雰囲気もない。適度な緊張感がパスポート返却を待つ私をずっと支配していた。

***

 トラブルもなくイミグレーションを抜け、バックパックを受け取り、税関へ向かう。
ここでバックパックをX腺に通し、無事にチェックを受けた後外にでると、そこはタクシーの客引きで埋め尽くされていた。
 初めての国、初めての大地、初めての夜。
 近寄ってくる客引きを笑顔で断りつつ、「地球の歩き方」に従ってバス乗り場へと向かおうとしたが、バス乗り場の地図も書いていないし、インフォメーションがどこなのか、皆目見当がつかない。
 隣にはしつこく自分のタクシーを進めてくる男がいる。
 年齢は40歳前後といったところか。相場は15ドルと聞いていたので、それ以上の金を支払うつもりはなかった。さまざまなホテルが集まっている、ハノイ市内のベトナム航空オフィス付近までの運賃を尋ね、15ドルと言ってきた彼を一応信用し、彼の車へと向かう。
 車は日本でもあまりみることがなくなったようなトヨタ コロナ。車がおんぼろなのに加え、車体に“AIRPORT TAXI”の文字がないことで、正規のタクシーではないことがすぐにわかった。ハイウェイへと走り出したおんぼろタクシーはただでさえ不安を覚えるのに、その不安を増長させるがごとく、ライトは常に上向きのまま固定、そして80km/hで飛ばす。進路に遅いトラックがいると、まずはクラクション、そしてパッシングの嵐。バイクの横もギリギリですり抜けていく。
こんなに古い車で、よくここまで速く走れるものだと感心してしまった。
自動車ラリー競技に参加している私がそう思うのだから、ベトナムのドライバーはよほど運転がうまいのか、それともただ無謀なだけなのか。

***

 ノイバイ空港から市内へ向かう道は、周りに明りがなく当分のあいだ殺風景であった。路面はよくもなく悪くもなく、そこそこの舗装路。その道路を20分も走ると市街地らしきものが見えてくる。他の東南アジア諸国の首都であるクアラルンプルやバンコクと比較して決定的に異なる点は、高さがない点であり高層ビルらしきものが見当たらない。あるといえば、最近できたという高級ホテルくらいなものであった。
 ドライバーは、無謀だが悪い人ではないと感じる。ベトナム航空のオフィス間で来ると、予想していた通りマージンを得られるホテルを進めてくる。しかしながら、考えていた値段とあまりにもかけ離れているため、話を断り自分でホテルを探そうと思ったが、その旨を伝えると2件ホテルをまわってくれ、結局8ドルの部屋に泊まることになった。
 ドライバーに“ありがとう!”と握手をして別れる。
 部屋に入って荷物を降ろしベッドに腰掛ける。入国してからの緊張から開放される瞬間。

***

まだ眠るのには早かったため、ホテル周辺を散歩してみることにした。
ホテルから一歩外に出ると、クラクションが四方から響いてくる。
暗かったため、ホテルの位置もよくわからなかったが、どうやらハノイ旧市街の一角のようだ。
 あまり明るくない電灯に照らし出された路地は、数多くの屋台が立ち並び、子供たちがサッカーなどする遊び場であり、大人たちがカードゲームをする遊び場であり、妙に腰の低いベトナム特有の犬の遊び場である。それと同時にごみ捨て場でもあった。
 初日ということで、遠出はしなかったが、屋台でみつけた美味しそうな肉まんを買う。3,000ドン(*注 確か当時は1000ドン=10円くらい)だった。
 期待に反してあまり美味しくない肉まんを食べながら大通りへ出てみると、小排気量バイクが夜にもかかわらず多く走り回っている。中にはオトコの二人乗りバイクが、女の子二人乗りのバイクの横を走りながらナンパしているような光景も見かけた。驚きである。そして1台のバイクに4人乗りしている若い男女もいた。驚きの連続である。ヘルメットは特に着用していない。皆、主に帽子をかぶって運転している。交通の流れは止まるということを知らない。ホテルに戻ることにした。

***

 到着してすぐというのにも関わらず、この国のこの都市が持つ活気をダイレクトに感じ取ることができる。どんな国なのだろうか、どんな人々が暮らしているのだろうか、そんなことを考えつつベッドに入る。
 外のクラクションは夜がふけていくにしたがって、いくぶん静かになってきたようだ。

---以上 Vol.1 プロローグ---

結構長いっすね~。タイプが大変。。。(T_T)

次回からは写真付きでもう少し読みやすくなるので、
これに懲りずに最後までお付き合いくださいね!

ち~ん。