アモ~レ☆チョッチョモ~レ

試す人になろう。

コ・ドライバーってのは。。。~マイケル・パーク追悼~

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mutakoba@大仏です。

書こう書こうと思いながらも、あまり気乗りしなかった。

実はワタシ、ラリーのコ・ドライバーをやっているのです。
ラリーといっても国内地方ラリーなので、完全なプライベーターですが。。。

ラリーへ参加し始めたのは、二十歳のときでした。

「ラリーやりたいんだけど、ナビやってくれないか?」

きっかけは、たまたま地元の成人式で会った旧友ハマチャンの一言でした。

小学校時代からの友達であるハマチャン。

たまに読み返す卒業文集では、
大仏「パリダカに出場する!」
ハマチャン「F1ドライバーになる!」
と書いてあります。

その後、免許を取るまではラジコンでバトル。

ウィリアムズとロータスのF1を購入し、二人で勝手に川本GPなんてのを開催。
他にも友達を巻き込んで、バトルしていました。

時は過ぎ、ハマチャンは某自動車、メーカーに就職。
ワタスは大学へ進学。

めっきり会うことがなくなった二人は成人式で久しぶりに再会したのでした。

ハマチャンはインプレッサを購入し、峠走っていたのですが、
物足りなくなり、コンペティションフィールドに本格的に参戦を希望。

インプレッサ=ラリーとなり、ナビゲーターを探していたのです。

意気投合した二人は、早速Bライセンスを取得し、ラリーに参加。

初めてのラリーは長野県で開催され、あたふたしている間に終了してしまいました。
順位はブービー
ブービー賞で、ブリヂストンのラリータイヤもらったのを覚えています。

それから、もうすぐ9年の月日がたちます。

何回ラリーに出場したのかは忘れましたが、家に帰れば多くのJAFの盾が
入賞経験を蘇らせてくれます。
「盾」というのは、まだ3位以内でフィニッシュしたことがないからで、
いつかは表彰台!と思っているうちに、結婚等の準備で忙しかったこともあり、
ラリー競技から遠のいていました。

リタイヤしたのは2回。

1回は雨があがった直後に行われたグラベルのSSでアンダーを出し、
崖に落ちそうになって亀の子になりリタイヤ。


2回目も雨。GCから乗り換えたGDBのデビュー戦でした。
それまでトップを快走していたものの、雨に足をすくわれガードレールにヒット。
サスペンションアーム類を破損し、自走できなくなってしまいました。


そのようなリタイヤを経験しても、
  ラリーで死を意識したことはありませんでした。


全開走行区間では「こいつおっかねー走りするな!」と思った時ほど
素晴らしいタイムで、あまり怖くないときは平凡なタイムでしたから、
「ハマチャン!次のSSはマキシマムアタックだよ!」と発破をかけるほど。

コ・ドライバーの仕事ってのは、ペースノートを読むことが全てではありません。

まずは、ドライバーに自分が読んでいるペースノートを信じてもらうこと。
ペースノートを信じてもらえなければ、ドライバーは自信をもって
ブラインドコーナーへ飛び込むことができません。

そして、コ・ドライバーの一番重要な仕事は
100%のチカラで走っているドライバーの能力を
120%まで高めるようなモチベーションを与えること。

不肖大仏は、残念ながら自分のコ・ドライバーとしてのチカラを
その極みにまで持っていくことができませんでした。

***

先日、ラリーGBで不慮の事故で亡くなったマイケル・パーク氏。
ペースノートを読むときずっと下を向きっぱなしなのが、彼独特のスタイル。

身体に備わったセンサーから、ペースノート上の自車の位置を読み取る。
これは凄いことです。

パーク氏はFORD時代からマルコ・マルティン選手のナビゲーターを勤めていました。
パーク氏の才能にマルティンが一目惚れ、今まで組んでいたナビと別れてまでも
パーク氏とのコンビを熱望し、実現したとのこと。

FORD時代のマルティンの活躍は、ローブ、ソルベルグと並び、
WRCの次世代スターと呼ばれるようにまでなります。
その裏には、パーク氏の才能、そして相性の良さがあったことが窺い知れます。

そして、プジョーへ移籍。

プジョーでは優勝こそないものの、バツグンの完走力でコンスタントに入賞していました。

なのに。。。

***

事故が発生したラリーを棄権したプジョースポールは
事故後に開催されたラリー・ジャパンに出場することを決断。

そして、奇跡は起こる。

圧倒的な速さを見せていたスバルのソルベルグが岩にヒットしリタイヤ。
マルティンの僚友、グロンホルムが逆転優勝を手にするのです。

最後のスタート台で、プジョースポールスタッフ全員が写ったこの写真。

こんな写真ってあるでしょうか?

みんな、泣きながら笑ってる。。。



何回見ても、目頭が熱くなって仕方がありません。

***

コ・ドライバーってのはドライバーの信頼を勝ち取るため、
そして、ライバルを打ち負かすようドライバーの能力を最大限に発揮させるため、
ナビゲーターシートで闘うもう一人のドライバーのこと。

故人を偲び、合掌。